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UNFINISH

特別な日

特別な日
我が家に新しい家族がやってきたのは、6年と11ヶ月前のことです

当時俺は付き合ってた彼女とペットショップに遊びに行き、『あ~欲しい、けどペット禁止だし・・・』などと話ながらいろいろ見てたわけですよ

その頃は小さい猿を欲しかったんだけど、値段を見たら昔買った車の金額と一緒で速攻無し!

猫は可愛いけどアレルギーだし・・・ってことは見るなら犬!
実家でも15年くらい雑種の愛犬『コロ』を飼っていて、やたらマッスルなバディだったのを今でも忘れてない

賢かったなぁ・・・

なんて思いをしながら、新しいペット見てると2匹のダックス発見!
1匹はブラックで、かごの中でギャウギャウ叫んでる

元気がいい!!

もう1匹はレッドでかごの隅っこで、じぃぃぃぃぃ~っと上目でみてる
なんか元気って感じがしなくて、体調も良くなさそう
でもそのダックス見てると、ついスタッフに

『あの~、この犬触る事ってできます?』

『いいですよ、そこのボウルにある液体で手を洗ってから抱き上げてください』

『わかりました!』

俺は高鳴る気持ちと、震えるそのダックスの臆病な体を自分のできる限りの優しさで、そっと胸に抱き寄せてみた

最初は震えるこの犬も、じっと俺の目を見てたら安心したのかうっとりしてる

なまらかわいい!

完全にやられそう・・・(ってかやられてた)
とその時、店員がそっと俺の近くにきていて耳元で

『こんな優しそうな人に飼われたら、この子も幸せだろうなぁ・・・』

『へっ・・・・・・』

考えるのにそれほど時間はかからなかった

『・・・・買います!』

『えっ?!』

『この子は俺が育てます!!』

俺の中で何かが『パン!』と弾けて、言ってしまった言葉に後悔はありません
何故か変にこの子は俺が助けてやる的な義務感になってしまったのです
(ただこの瞬間だけだったのですが・・・)
それでも俺の気持ちが冷めないうちに

『お金ないんで、今銀行行ってきます!』

猛ダッシュで銀行の少ないお金をおろしてきて、すぐに戻るとお金を払ってました
完全に無我夢中って、このことなんだって実感するのもこの時でした

冷静になって考えてみたら

お金もそれほどなく

ペット禁止の家

俺の生活は不規則

その他もろもろ・・・不安は盛りだくさん

でも飼い方聞いてるうちに、変な責任感もでてきて盛り上がる自分はそこにいるし・・

家に帰るとまず名前付けたいと思い、いろいろ考えること数時間
和風の名前にしたいってことで

銀二郎

真之介

五右衛門

でも洋犬だし、和じゃおかしいかなぁ

でも和と洋のミックスっていいかも
なんだろう・・・周りを見渡すとたまたま視界に入ったカタカナと漢字のミックスの言葉発見!

ライ麦

・ ・・・とても言いにくい言葉である

なら、そうしよう!

特に何も考えずにつけてしまった
そして何故か、小さい生き物に赤ちゃん言葉になってしまう経験があるのは俺だけじゃないはず

『らいたん!、こっちでちゅよ~』

今考えると、きもい

でも飼いたてで、可愛くないわけは無い

そんなライ麦も今日で7歳のバースデイなのです

今日は特別な日!

俺にとっても、ライ麦にとっても!
まぁライ麦はよくわかってないのですが・・・

俺なりに精一杯可愛がって、この日を大事にしたいと思ってるのですよ

ライ麦に関して腹立つことも山ほどあるのですが

おしっこも俺の鞄にしたし

買ったばっかのPCのコードもかじった

革靴、革のベルト、フルオーダーの革パンをかじってでかい穴あけた時は俺もまじギレ!

口も半端ない臭いし、悪さもする

けど、そんなライ麦は大好きです

お互い歳とったけど、これからも一緒に頑張っていこな!

ライ麦ホントに7歳おめでとう!

最後なんですが・・・

飼い始めて、わからないことがあってペットショップに行くとライ麦を売ってくれた店員が接客してて、邪魔しちゃいけないと離れてみていると・・・

その店員は耳元で!

『こんな優しそうな人に飼われたら、この子も幸せだろうなぁ』って・・・

『・・・・・売り文句なの!?・・・』

特別な日

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